振り返る1

今日は仕事納め。
今年を振り返るって意味でちょっと書いてみる。
ぶっちゃけ、書こうか迷ったんだけどね。
知ってる人はツイッターで見て知ってると思うんだけど、ちょっとここで改めて。
内容が内容なんで、暗い気持ちになるのが嫌な人はスルーで。







↑で書いたように、ツイッターでちょっとお知らせして、知ってる人は知ってることなんだけど、
以前ブログにちょこちょこと登場してた会社の同僚であるチャラ男くんが先月他界した。



事の始まりは6月の上旬頃だったかな。
どうも最近胃の具合がよくないと話をしていた。
チャラ男くんは基本的に毎日酒を飲んでたのもあって、周りの誰もが「飲みすぎだろ?」とか、
「30歳超えてガタがきはじめてるんだろ。酒飲み過ぎんなよ」とか言っててね。
チャラ男くんは、半同棲してる相手との関係でストレスだとか言ってたり。


これは後で分かった事なんだけど、胃の具合が悪いというか体の不調を感じ始めたのは
5月のGWの頃からだったらしい。
市販の胃薬を飲んで、その時は回復するんだけどまた調子が悪くなってまた胃薬を飲む。
そんな日々が続いたある日、夜中胃の痛みで眠れないほどになった。
寝不足だと言いながら会社に来たんだけど、上司を始め周りがみんなちゃんと医者に診てもらった方が良いと言い、
チャラ男くんは渋々会社を早退して病院にいく事に。


胃の具合が悪くてたまたま前日の夜から何も飲み食いしてなかったのですぐ胃カメラをやる事ができたらしい。
で、検査したところ胃に問題はないらしい。
そこでまた翌日、別な検査をしてみるって事に。


検査を終えた翌日、チャラ男くんが会社に来たから「どうだった?」って聞いてみた。
胃の具合が悪かったのに胃に異常がなかったから、たいした事ないんだろうって思って。
でも、チャラ男くんから言われた病名は予想もしてなかったものだった。
ガン。
俺の親父を殺した憎き病名を耳にしてちょっと時が止まった。
チャラ男くんはいつも通りの感じであっさり言ってたけどさ。
「なんかマジでヤバイみてー。ガンだって言われた。詳しい検査をしないとどうなのかわかんないけど、
とりあえず結構ヤバイみたい。」って。


詳しい検査をしたところ、大腸ガンが元にあって、それが肝臓にも転移してるらしい。
肝臓がガンによって腫れた事で胃を圧迫して、胃への不快感が出てきてたとの事。
親父がガンになって色々と調べた素人ながらの俺の知識でも、転移してる状態は相当ヤバイと分かった。
ましてやまだ33歳。進行速度を考えると尚更ヤバイって事になる。
でも、チャラ男くんはいつものチャラ男くんだった。
俺の親父がガンで逝った事、色々調べてた事を知ってたから色々と質問を受けてそれに答えてた。
入院の事、治療の事、何がダメで何が良いかとか、日常生活に関することとか。
医者じゃないから知ってる範囲で、親父の時はこーだったとかってレベルで答えてた。
そんな中で、「ガンでもSEXして大丈夫だよね?」って真顔で聞いてきた時は、
「テメーこんな時でもヤりてーのかよ」って言ったなー。
こんな所がチャラ男くんなんだけど。


6月下旬にちょっと入院して、それから通院による抗がん剤による治療をしてたらしい。
連絡を取ろうと思ったけど、なんて言葉をかけて良いのか正直分からなかった。
実家にいるのか半同棲相手の家にいるのかもわからなかったし、どうしていいのか。。。
何より怖かったのが、病状が悪化してる事を知らされたくなかったって事。
だから帰ってくるのをただ待つ事にしようって思った。
怖い病気であること。病状は良くないというか厳しい状況であること。
親父の事もあって、この病気になってしまったチャラ男くんを正面から見れなかったというのが
正直なところかもしれない。


そして、11月のある日の事。
仕事をしてる所に先輩が来て、チャラ男くんが逝ってしまった事を知らさせる。
あの日、それ以降どうやって仕事をしてたのか覚えてない。
真っ白になった。
すっげーいい奴だった。すっげー面白い奴だった。
世間一般からみたら良い人ではなかったかもしれない。
女関係の事とか色々とね。
でも、アイツと関わってた人は誰もアイツを悪く言う人はいないと言って良いくらい。
それは、お通夜でも分かった。
斎場の駐車場は満車で車が溢れかえり、とんでもない事になってた。
斎場内は人で溢れてて、臨時の座席が用意されてる状態。
遺族の予想をはるかに超える人がチャラ男くんのために集まってきたんだ。
男ばっかりじゃなくて同年代と思われる女性も多数。
女性はみんな号泣してた。
もし自分が死んだらこうはならない。
こんなに人は集まらないし、こんなにも悲しみに包まれることはない。
人間死んだ時にそれまでその人がどう生きてきたかが表れるもんだと思った。


そんなお通夜でのチャラ男くんの親父さんの挨拶で衝撃の言葉を耳にした。
検査でガンが分かった時、医者からいわれた言葉が「余命はありません」って事だったらしい。
つまり、もう助からないって事。
うちの親父は直接余命に関しては言われなかったけど、雰囲気でもうダメだってのは感じれた。
チャラ男くんは直接それを言われたらしい。
チャラ男くんの親父さんはちょっと取り乱して医者に問い詰めたらしい。本当なのか?と。
その隣でチャラ男くんは「わかりました。大丈夫ですよ」と医者に返したらしい。
この時、チャラ男くんが何を思ったのかはわからない。
ただ、親父さんが言うには家族や周りの人を心配させたくないと考える子だったから、
きっと自分は受け入れたからみんなが気を落とす事はないって言いたかったんだろうって。
俺の知らなかった事実。
それまではなんか実感がなくて信じられない状態が続いてたんだけど、
その事実を聞かされたら涙が止まらなくなって。
あの時も自分がもうダメだってわかってたのか?って思うと、色んな事が思い出された。
チャラ男くん。お前、そんな状況でSEXしても大丈夫かって俺に聞いてきたの?
くそバカヤローすぎんだろお前。
そんな事とか思い出してたら泣けて泣けて。


本当は葬儀にも参列したかったんだけどそれだと会社の業務が止まってしまうので、
お偉いさんと上司のみの参列になった。
だからお通夜で最後のお別れしてきたんだけど、なんだろうなー。
未だに信じられないんだよね。
普段風邪とかひかなくて、健康そのものな人だったから。
11時過ぎると眠くなって、基本12時前には寝ちゃうし。
だからなんでチャラ男くんなんだろうなって思ってしまう。
1ヶ月以上経つのに、まだ実感がない。



なんでこの事を書いたのかというと、ツイッターでちょっと書いたら、
直接知らないけどブログで存在は知ってたからショックだって言ってくれた人がいてね。
もしよかったら、チャラ男くんの存在を知ってくれた人がちょっとでも彼の冥福を祈ってくれたらいいなと。
それが1点。
もう1点が、ごく当たり前の症状でも油断はしちゃいけないよって事。
頭が痛い、胃が痛い、お腹の調子が良くない等、ごくごく普通の日常的な不調であっても、
それが大きな病気の前兆である場合があるって事を再認識しなくちゃいけない。
もちろん、その都度検査しなくちゃいけないとかじゃないんだけど、
何日も続いたりまめに起こったりするようなら念のために検査しておくべきだと思うよね。
大きな病気をするってのは本当に大変なことで、本人も苦しいし大変だけど、
家族とか周りの人も色々と大変なんだよね。
だから大事になる前に対処できればそれに越した事はないわけで。
女性なんかは乳がんとか子宮頸がんとか若くてもなってしまう大病があるんで、
定期健診しておいた方がいいものはちゃんとやっておくべきだと思います。


家族が死ぬ事。
友人が死ぬ事。
こんなにも悲しくて寂しい事はないんですよ。
もし身近な人で体の不調を感じてる人がいてその内治るだろみたいな考えの人がいたら、
ちゃんと診察してくるようにすすめてあげて欲しい。
そして自分自身も。